東京ドーム18個分の山が、96100枚のパネルで覆われる計画

現在、私たちが取り組んでいる最大の問題は、小川町で計画が進む「さいたま小川町メガソーラー」事業の見直しです。

 

この事業は、名称だけを見ると、まるで埼玉県や小川町などの自治体が行うような事業に思えますが、一民間企業が進めている計画です。

その事業計画地は、以前はゴルフ場計画地だった東京ドーム18個分という広大な敷地の跡地を利用するものです。

工期は3年に及び、計画地の木を伐り、山を削り、大量の土砂を運び込んで谷を埋め、約40メガワットの出力のソーラーパネルを敷き詰める予定となっています。

使われるソーラーパネルの数は96,100枚。

外部から運び込まれる土砂の量は35.5万立方メートル超で、73日に熱海で起きた土石流災害の原因と言われる盛り土の6倍以上に及ぶという大規模な計画です。

 

 

 

 

左は、事業者が埼玉県に提出した「環境影響評価調査計画書」に載っていた事業計画地の航空写真です。

 

赤線で囲った部分が計画地ですが、ご覧の通り、緑に覆われた山です。

ゴルフ場跡地と言っても、すでに計画破綻から20年以上が経過し、自然回復が進んだ場所だということが判ります。

 

 

この事業の概要は、埼玉県に提出された「環境影響評価調査計画書」に詳しく記載されています。

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0501/asesu/j037-chousakeikakusho.html

小川町について

 

小川町は、有機農業の聖地として全国的に知られ、ユネスコ世界文化遺産に認定された和紙の産地としても有名で、「埼玉の小京都」と称される文化が薫る町です。

 

 

事業予定地の多様な生態系

 事業予定地には、国や県のレッドデータブックに載っている絶滅危惧種が112種見つかっており、里山生態系の豊かさを測る基準となる指標種が複数生息する、全国レベルでも貴重な場所であるということが専門家の調査で分かっています。

 

私たちの思い

 

発電時にCO2が発生しない太陽光発電は、脱炭素の切り札とも言えます。風力なども含めた再生可能エネルギーの普及は、温室効果ガス排出ゼロを目指し、地球温暖化を食い止めるためには大事なことです。

しかし、CO2を吸収してくれる森や山の木々を伐る前に、もっと他にソーラーパネルを設置できる場所があるのではないでしょうか?

戸建て住宅の屋根だけでなく、公共施設やオフィスビルの屋上、大量の電力を消費している工場の屋根の上や敷地内など、まだまだパネルを設置できる場所はあるはずです。

森林を伐るのではなく、まずはそのような既存の建物の上などを有効に使うべきだと思います。

 

電気は、私たちの生活に欠かせないものになっていますが、

人々の生活や命を脅しても、山を削り谷を埋めてメガソーラー施設を作る必要があるのでしょうか?

命と電気、どちらがより大事かは、誰でも同じ答えに行き着くと思います。

 

豊かな自然や生態系は、人が生きるためにも不可欠なものです。

そして、土地の大規模改変は、人々の命と生活にも様々な影響を与えます。

 

本当に大事なものは何なのか?

未来の地球と人々のために、今すべきことは何なのか?

ぜひ、皆さんにも一緒にじっくり考えていただきたいと思っています。